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中性子産業利用推進協議会

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中性子産業利用推進協議会と茨城県,CROSS東海では会員企業において「中性子産業応用セミナー」いわゆる「出前講座」を開催しています.

平成28年度第3回目のセミナーとして、2月10日(金)に川崎市川崎区鈴木町にある味の素㈱イノベーション研究所において中性子産業応用セミナーを開催しましたのでご報告致します.

プログラムは下記の通りです.

1.味の素株式会社の概要         加藤敏久 イノベーション研究所長
2.中性子の産業利用           富田俊郎(茨城県)
3.中性子の基礎             林 眞琴(CROSS)
4~6.中性子実験技術に関する講演3題   各技術分野のエキスパート

 味の素㈱イノベーション研究所の基盤技術研究所やフロンティア研究所などから41名もの研究者の皆さまが聴講されました.それぞれの講義について活発な質疑がありました. セミナー終了後には具体的な課題実施の利用相談があり,J-PARC MLF見学会の申し出もありました.
 味の素㈱ではすでにBL03「iBIX」とBL20「iMATERIA」の利用実績があり,成果を挙げて居られますが,今後,益々J-PARC MLFの実験装置を利用していただけるものと期待されます.

※註
中性子産業応用セミナーは毎年数回開催しています.4月に改めてご案内を差し上げますが,希望される会員企業は、事務局の林眞琴(E-mail: m_hayashi@cross.or.jp)までご相談ください.なお,開催できる企業は,基本的には中性子産業利用推進協議会の会員企業ですが,非会員企業におきましても内容を絞って開催することが可能ですのでご相談ください.


 去る7月4日(月)に,馳浩文部科学大臣ほか文部科学省の関係幹部に対して,中性子産業利用推進協議会(代表:庄山悦彦副会長(㈱日立製作所名誉相談役))と日本中性子科学会(代表:鬼柳善明会長(名古屋大学特任教授)),茨城県(代表:富田俊郎技監)が合同で,J-PARC/MLFとJRR-3に関する要望書を提出しました.

 要望書の詳細については下記の資料をご参照ください.

     平成28年度文科省要望書

 具体的には,伊藤洋一科学技術・学術政策局長と板倉周一郎大臣官房審議官(研究開発局担当)にそれぞれ面会して,産業界の中性子利用に対する熱い思いを説明のうえ,手渡しました.

協議会からの要望事項は下記の4項目です.

 1.J-PARC/MLFの安定的運転による利用時間の確保

 2.J-PARC/MLFを最大活用するための年間9サイクル運転の実現

 3.J-PARC/MLF中性子出力の所期性能1MWの早期達成

 4.先進的な産業利用研究を先導するJ-PARC/MLFの支援スタッフの充実

また,JRR-3の早期運転再開と十分な高経年化対策による安定的運転の確保についても併せて要望しました.

7月21日(木)に東京秋葉原コンベンションホールにおいて,庄山悦彦副会長,須藤亮運営委員長,会員企業45社・機関(委任状含む)他が出席して平成28年度総会を開催しました.伊藤洋一文部科学省科学技術・学術政策局長を始めとして,非会員企業他からの出席を含めて110名の参加がありました.

初めに,庄山悦彦副会長から次のような挨拶がありました.

 J-PARC/MLFでは学術分野ならびに産業利用分野において,それぞれ成果が挙がりつつあり,昨年度も「Nature」や「Science」など国際的に著名な学術誌に成果が掲載されている.産業利用においては,J-PARCセンターのご支援により,Liイオン電池や触媒などの分野で製品成果があがりつつあることに感謝したい.イノベーションを生み出すためには,破壊的な材料技術の革新が必要で,そのためには高度な計測・評価技術が必須であり,J-PARC/MLFとJRR-3の中性子の利用に大いに期待を懸けている.そうした中で昨年は水銀ターゲットの不具合などが原因でJ-PARC/MLFの運転時間が少なかったのは大変残念である.早期に1MWを達成していただきたいのは当然のことであるが,成果を挙げるために安定運転を最優先にしていただきたい.平成20年以来,延べ1,565件の課題が採択されたが,そのうち産業利用が27.8%を占めており,成果専有での利用割合が28.4%もある.このことは中性子の利用が製品開発に大いに役立っていることの証しである.企業各社には,J-PARC/MLFをさらに一層利用していただき,さまざまな製品開発や技術開発に活用して,事業の拡大,引いては国益増大に活用していただきたい.

来賓として伊藤洋一文部科学省科学技術・学術政策局長に次のような挨拶をいただきました.

 J-PARCにおいては,中性子ターゲット容器の不具合とその対策のため昨年の利用運転時間が大きく減少し,残念に思っております.今年2月より利用運転を再開していますが,今後も安定的な利用運転を行いつつ,段階的にパワーアップをするという施設側の挑戦に対し,技術的ハードルを乗り越えてほしいと思っています.また,J-PARCと両輪をなすJRR-3については,一刻も早い再稼働を期待しております.一方,J-PARCを用いて多くの社会的・経済的に高インパクトな成果が生み出されていることは,利用者の皆様方の日々の努力の賜物と思います.例えば、高性能タイヤの開発や鉄系超伝導材料の研究は,J-PARCと他の共用施設を相補的・相乗的に用いられた好例と認識しております.多くの大学や企業が最先端の研究開発リソースを持ち寄り,まさに「共創の場」としてJ-PARCが活用されていることに文部科学省の立場からも大変喜ばしく思います.J-PARCが世界トップレベルの研究拠点として最大限のポテンシャルを発揮していくこと,さらに,様々な世界規模の課題の解決にも貢献していくことを期待しています.

続いて,須藤亮運営委員長から次のような挨拶がありました.

 住友ゴムがJ-PARCとSPring-8,ならびに京コンピュータを連携活用して低燃費で耐摩耗性に優れたタイヤ用新材料の設計システムを開発し,花王が小角散乱技術を利用して界面活性剤を開発したことなどは,J-PARC/MLFの産業利用が深化していることを示している.また,東工大の菅野教授が世界最高のリチウムイオン伝導率を示す超イオン伝導体を発見したことは将来の産業応用に繋がる期待が大きく大変喜ばしいと思っている.このように中性子の産業利用が拡大する中で,文部科学省には,利用時間を増やすための9サイクル運転のための予算措置と,学術成果を挙げるために研究スタッフを充実させる施策をお願いしたい.同時に,成果を着実に挙げるために,J-PARC/MLFが安定的に運転できるようにしていただきたい.これからの産業創出においてはオープンイノベーションが必要であり,そのためにJ-PARC/MLFを活用するだけでなく,関係者が議論する場を作ってイノベーションを産み出して貰いたい.

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総会の議事においては,第1号議案「平成27年度事業報告及び決算報告について」(監査報告を含む),第2号議案「会員の入退会について」,第3号議案「平成28年度事業計画及び収支予算について」,第4号議案「会則の改訂について」,その他「平成28年度の体制」の各項目について審議と報告があり,審議項目については全て承認されました.

7月23日(木)に秋葉原コンベンションホールにおいて,庄山悦彦副会長,須藤亮運営委員長,会員企業47社(委任状含む)他が出席して平成27年度総会ならびに平成26年度成果報告会を開催しました.

午前中に開催した平成27年度総会では非会員企業他からの出席を含めて104名の参加がありました.初めに,庄山悦彦副会長の挨拶があり,来賓として岸本康夫文部科学省科学技術・学術政策局次長の挨拶をいただきました.続いて,須藤亮運営委員長の挨拶がありました.総会の議事においては,第1号議案「平成26年度事業報告及び決算報告について」(監査報告を含む),第2号議案「会員の入退会について」,第3号議案「平成27年度事業計画及び収支予算について」,第4号議案「会則の改訂について」,その他「平成27年度の体制」「細則の制定」の各項目について審議と報告があり,審議項目については全て承認されました.

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午後に開催した平成26年度成果報告会では,前半の<J-PARC/MLFセッション>において,初めに,齊藤直人J-PARCセンター長からJ-PARC/MLFの現状について報告がありました.続いて,林眞琴茨城県企画部技監がJ-PARC/MLFにおける産業利用の統計データと茨城県BLの現状,ならびに,産業利用の成果を紹介しました.その後,装置側からの報告として,米村雅雄KEK准教授が「BL09 「SPICA」におけるLi電池の充放電過程のin-situ観察」,五十嵐圭日子東京大学准教授が「iBIXにおける加水分解酵素の結晶構造解析」と題して報告されました.いずれもTOF型中性子実験装置でなければ得られない成果の報告でした.

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後半の<中性子の産業応用セッション>では,㈱日産アークの今井英人氏(代理:茂木昌都氏)が「Liイオン電池の充放電特性に及ぼす各種因子の影響解明」,㈱豊田中央研究所の工藤憲治氏が「白金上のNafionn薄膜の物質移動とナノ構造解析」,㈱本田技術研究所の池田知廣氏が「中性子回折による自動車廃ガス浄化触媒の構造解析」,住友ゴム工業㈱の増井友美氏が「J-PARC大観を活用したゴムの精密構造解析」と題して報告されました.それぞれの講演に対して多くの質問がありました.成果報告会には165名もの参加者があり大変盛況でした.

成果報告会のあと,会場脇の「ホワイエ」において懇親会を開催し,85名の方が参加されました.参加者の皆様から,茨城県プロジェクトによる先行研究や産業利用において非常に良い成果が挙がっているとのコメントをいただきました.ワイングラスを片手に,産学官の懇親を深めるとともに,J-PARC/MLFの産業利用の深化について活発な意見交換がありました.

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 中性子産業利用推進協議会の平成27年度総会と平成26年度成果報告会を7月23日(木)に東京 秋葉原の秋葉原コンファレンスセンターで開催しました.詳細な報告は別記事に掲載してありますのでご参照ください.

 総会と成果報告会,ならびに中性子産業応用に関する資料を希望者に配布致します.希望される方は,事務局(E-mail : j-neutron@chorus.ocn.ne.jp)までご連絡ください.