↑member only

中性子産業利用推進協議会

〒319-1106
茨城県那珂郡東海村
白方162-1
いばらき量子ビーム研究センター D201
中性子産業利用推進協議会事務局
TEL:029-352-3934
FAX:029-352-3935
お問い合わせはこちら

カウンタ: 

   中性子回折による金属材料の集合組織高速測定システムを開発

   J-PARC MLFの茨城県材料構造解析装置「iMATERIA」で世界最速
    の測定技術を確立

                                 平成28年10月27日
                                茨城大学
                                茨城県
                                日本原子力研究開発機構

茨城大学フロンティア応用原子科学研究センターの小貫祐介助教らの研究グループは,中性子回折によって金属材料の集合組織を高速に測定できるシステムを開発しました.定量的な集合組織解析が難しく,通常のX線回折では相分率を正確に定めることも困難な二相ステンレス鋼においても,集合組織を定量的に,かつ,数分という短時間の測定で求めることができるようになりました.これは,大強度陽子加速器施設の物質生命科学実験施設(J-PARC MLF)に茨城県が設置したBL20茨城県材料構造解析装置「iMATERIA」を用いて確立した技術で,試料を回転させる必要がなく,金属材料の集合組織を測定するシステムとしては世界最速であるといえます.
今回の成果は,自動車のフレームに用いられる高張力鋼板やモーターの高効率化に重要な電磁鋼板の高性能化に役立つと期待されます.また,これまで電池関連分野が中心であった「iMATERIA」の産業利用適用範囲を金属材料分野にまで大きく拡大することが期待されます.
 詳細については下記の資料をご参照ください.なお,集合組織や相分率の測定につきましては,2016Bからメールインサービスでの測定も可能となっていますので,是非ご活用いただきますようお願い致します.

  「中性子回折による金属材料の集合組織高速測定システムを開発」

<測定結果>
図1に二相ステンレス鋼SUS329J4Lを20%冷間圧延した材料におけるフェライト相(α相)の110,200,222回折の極点図を,図2にオーステナイト相(γ相)の111,200,220回折の極点図を示します.図よりフェライト相の優先方位は{200}<011>,オーステナイト相の優先方位は{220}<002>であることが分かります.
MLFのTOF(Time of Flight)法では複相材料の同時に多数の回折面の測定が可能です.また,MLFのビーム出力が500kWであれば,測定に要する時間は僅かに数分ですので,変形時や相変態時などでのin-situ測定も可能です.金属材料の集合組織の測定に関心をお持ちの皆様のご利用をお待ちしています.
1101neutron1.png

1101neutron2.png

今回の成果は,2016 年10 月 1日発行のJournal of Applied Crystallography に掲載されました.