中性子産業利用推進協議会

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「茨城県中性子利用研究会」からのご案内です。

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iBIX タンパク質構造研究会 開催案内
テーマ:タンパク質用中性子構造解析装置iBIXの
成果と今後の解明すべき課題


主 催:茨城県中性子利用研究会

共 催:中性子産業利用推進協議会

J-PARC MLF 利用者懇談会

協 賛:総合科学研究機構(CROSS)中性子科学センター

開催日時:2021 年 8 月 20 日(金) 13:00-17:00
開催方法:オンライン(zoomを予定)

趣旨:クライオ電子顕微鏡EMは、結晶化を必要とせず、水溶液中のタンパク質を凍らせて立体構造を決める。いくつかのユニットから成る巨大な複合タンパク質に威力を発揮し、100kDa以上のタンパク質では、2 Å程度の分解能を切るデータもあり、水素原子も観測される場合もあるが、他方100kDaを切ると困難となる。X線結晶構造解析は、現在も結晶化が可能であればタンパク質の構造を決める重要な手段である。では、中性子結晶構造解析の得意な領域、特長はなんなのか。中性子解析は、分子量が70kDa以下で、X線で立体構造が決まったタンパク質を対象とするが、2 Åより高分解能であれば、水素原子を観測出来、しかも、軽原子Hと重原子Dを区別することができる。X線では、超高分解能の結晶で初めて水素原子は観測可能となるが、HとDを区別することは出来ない。

 中性子構造解析で注目されるのは、活性領域の酵素反応に関与するあるいは創薬となる可能性のある化合物と相互作用するアミノ酸残基の側鎖と水分子の観測である。中性子回折では、バックグランドを低くするため軽水で結晶化したのを重水にソーキングする、あるいは重水で結晶化する。今後注目すべきことは、タンパク質のアミノ酸残基の側鎖の窒素あるいは酸素に結合するHがDに入れ替えられることであり、骨格のN-HがN-Dに入れ替えられることである。しかも、早く入れ替えられる部分と入れ替えられない部分がある。溶液中でも結晶中でも重水D2Oが来たとき、反応自体は共通である。結晶においては、外側と内側で重水が侵入してくるスピードが異なる。D2O溶液中だとすべてのタンパク質について同じである。水素のHとDを区別し、交換する割合を求めることが可能であり、ゼロから1まである。重水で結晶化しても、全然Dに交換しない部分もあるし、交換比率が1に満たないところもある。重水ソーキング法でも創薬となる可能性のある化合物との相互作用をする部分もDにある割合で交換される。水素結合を形成するHもDの交換が観測される。交換割合は何できまるのか、交換機構を考える時期に来ている。交換機構を解くことが結晶中のタンパク質の周囲の水分子の挙動が分かり、化合物の結合には水素結合の寄与もあるが疎水的相互作用が重要であることを示唆しているかもしれない。

 中性子構造解析により、プロトン互変異性が観測され、水素原子の存在率、水素結合の有無、金属イオンに配位するヒスチジンのプロトン化の状態等が観測された。今回この研究会では、これまで中性子結晶解析の結果で何が分かったかを報告して頂き、更に今後の課題を考えて頂く機会にしたいと思う。

幹事 今野 美智子(茨城県)

プログラム
13:00開会挨拶  今野 美智子 (茨城県)
特長1 プロトン互変異性
13:05~13:30 
   セルロース分解酵素の中性子構造と古くて新しい加水分解反応メカニズム 

五十嵐圭日子(東京大学)

13:30~13:55 
   高分解能中性子結晶構造解析に基づく銅含有アミン酸化酵素の触媒機構
村川武志 (大阪医科薬科大学)

13:55~14:15 
   FAP病因タンパク質TTR変異体の安定性変化のメカニズム解明に向けて
日下勝弘(茨城大学)

水素結合、プロトン
14:15~14:40 
   中性子回折を用いたマクロファージ遊走阻害因子の精密構造解析

松村洋寿 (秋田大学)

14:40~14:55 休憩

特長2 重元素の周りの軽原素の観測 
14:55~15:15 
   マンガンカタラーゼの中性子構造解析で観測されるHのDへの変換

山田 太郎 (茨城大学)

15:15~15:40 
   [NiFe]ヒドロゲナーゼの中性子結晶構造解析を目指して
廣本 武史 (QST)

15:40~16:05 
   中性子線結晶構造解析による銅含有亜硝酸還元酵素の反応機構解明
福田 庸太(大阪大学)

特長3 放射線ダメージを与えない測定
16:05~16:25 
   光合成色素フィコシアノビリン合成酵素PcyAの変異による吸収スペクトルの
   変化と基質色素のプロトン化状態            海野 昌喜(茨城大学)

今後の課題 HとDの区別
16:25~16:55 HからDの変換は何を示すのか        今野 美智子(茨城県)
16:55~17:00 閉会挨拶                     日下 勝弘(茨城大学)


<参加申込み先>
参加を希望される方は下記申込フォームから8月15日(日)までにお申し込みください。
定員になり次第締め切ります。

入力いただいたメールアドレスにお申し込み確認のメールが自動的に送信されます。返信がご確認いただけない場合は、メールにてお申し込みください。
申し込み先:茨城県中性子利用研究会事務局 田中志穂(tanaka@ibaraki-neutrons.jp)
(1)名前、(2)所属、(3)連絡先(E-mail address)をご記入ください。

申し込みした方へは、Zoom接続に必要な情報(URL、ログインID、パスワード等)を開催前にメールでお知らせします。

iBIXタンパク質構造研究会.pdf