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中性子産業利用推進協議会

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 10月9日(火)に平成30年度第1回残留ひずみ・応力解析研究会を
     引張応力および疲労変形による残留応力の変化
をテーマとして開催しました.参加者は92名でした.

 秋庭義明主査(横浜国立大学教授)の開催挨拶に続いて,「施設の概況」セッションにおいて,富田俊郎茨城県技監がJ-PARC MLFと中性子産業利用の現状を紹介されました.

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 「チュートリアル」セッションにおいては,事故解析や破壊力学で著名な小林英男東京工業大学名誉教授名誉が「実機の疲労解析」と題して,国内外でよく知られている事故に関してその原因究明結果について紹介されるとともに,疲労強度に及ぼす各種因子の影響,特に,実機と実験室データの相違が大きい寸法効果などについて講演されました.また,坂井田喜久静岡大学教授は「炭素鋼のレーザ焼入による硬化層と残留応力生成に及ぼす表面前処理の影響」と題して,局所レーザ焼入れ施工における前処理が残留応力分布に及ぼす影響などについて講演されました.

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 「残留応力の変化」セッションにおいては,林眞琴SC(CROSS)が「機械加工表面層における残留応力の引張変形および疲労による変化」,秋田貢一東京都市大学教授が「熱サイクル下および荷重下におけるピーニング残留応力の緩和挙動」,諸岡聡JAEA研究員が「侵入型元素で強化した(α+β)チタン合金の中性子回折法による変形解析」,窪田哲氏(日立建機)が「中性子その場回折実験による球状黒鉛鋳鉄の繰り返し引張圧縮変形挙動」,土田紀之兵庫県立大学助教が「TRIP型複合組織鋼の引張変形中の相応力と加工誘起変態挙動解析」,王延緒氏(NIMS)が「その場中性子回折で明らかになったパーライト鋼の引張変形および引張圧縮繰り返し変形機構」と題して,各種表面処理により導入された残留応力や半価幅が引張変形や疲労変形によって変化する挙動と余寿命予測,ならびに,組織変化について講演されました.

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 「X線・放射光・中性子による残留応力測定」セッションにおいては,熊谷正芳東京都市大学助教が「ラインプロファイル解析の紹介」,鈴木賢治新潟大学教授が「粗大粒材料の新しい応力測定法の開発 - 放射光による二重露光法の試み 」,林雄二郎氏(豊田中央研究所)が「3DXRD法による第2種応力測定の原理と欧米における最近の進展」と題して講演されました.
 最後に峯村哲郎茨城県CDが今後の研究会や講習会などについて紹介されました.

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 残留応力は構造強度評価上重要なパラメータです.今回の研究会では疲労強度や破壊力学の権威である小林英男東京工業大学名誉教授に事故解析と疲労強度全般に関して講演していただきました.小林名誉教授の講演を拝聴したいということもあってか,90名を超える多くの皆様に参加していただきました.一方,本題の各種表面加工により形成された残留応力がその後の引張変形や疲労変形により変化する挙動,ならびに,残留応力と半価幅による寿命予測手法について説明があり,残留応力測定の意義をよく理解していただくことができたと考えます.