中性子産業利用推進協議会

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平成31年2月22日(金)にエッサム神田ホール1号館2階多目的ホールにおいて,平成30年度金属組織研究会を「中性子散乱でナノ構造を観る~共同実験への誘い~」をテーマとして開催しました.28名の参加者がありました.

金属組織研究会では,研究会活動の第一義的目的を共同実験の遂行と定め.昨年の金属組織研究会では「共同実験への誘い」というセッションを設け,施設側から3つの測定手法について共同実験への参画をお願いしました.本年度は,具体的な測定対象を挙げて共同実験の可能性を問い掛け,議論しました.

野間敬SC(CROSS)がJ-PARC MLFの運転状況を報告された後,大沼正人主査(北海道大学教授)が開会挨拶をされました.続いて,茨城県の富田俊郎技監が「MLFの現状と中性子産業利用の現状」と題し,産業利用に関わるJ-PARC MLFの課題採択状況や茨城県の取り組みと主要成果について説明されました.

0222kin2018.png<チュートリアル>として,大沼正人北海道大学教授が「小角散乱の基礎」と題し,小角散乱によってどんな情報が得られるか,と実践的な解析のコツや注意点を説明されました.大場洋次郎氏(JAEA)は「金属材料における小角散乱法の最近の応用」と題し,放射光や中性子の小角散乱法の有効性を高める新たな実験技術について応用例を示して説明されました.

0222kin22018.png<中性子共同実験への誘い>のセッションでは3件の講演がありました.倉本繁茨城大学教授は「超強力アルミニウム合金の開発に必要な組織制御技術」と題して,巨大歪み加工を利用してアルミニウム合金を高強度化する方法について,このメカニズムを解明するために,中性子を利用することを提案されました.山下孝子氏(JFEスチール)は「大入熱鋼板HAZ組織微細化へのオキサイドメタラジー適用と介在物分析における中性子利用への期待」と題し,溶接に伴って鋼板の組織が変化するメカニズムを解明するため,中性子利用に期待していることを説明されました.藤井隆志氏(新日鐵住金)は「有機・無機被覆鋼板の概要」と題して,耐食性や機能性を付与するために施す鋼板の表面処理(めっき,化成処理,塗装)について,未解明の課題を中性子を利用することで解明することに期待していることを説明されました.

0222kin32018.png今回,3つの具体的な測定対象が提案されましたが,これらに対して中性子の特長を活かした解析を実現するためには,もう一歩踏み込んだ議論が必要です.これをきっかけに,多くの方に議論に参加していただき,共同実験実施に向かうことを期待します.