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中性子産業利用推進協議会

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7月21日(木)-22日(金)に東京秋葉原コンベンションホールにおいて,初めてのJ-PARC/MLF産業利用報告会を開催しました.

初めに,齊藤直人J-PARCセンター長から開会挨拶があり,続いて,上田光幸文部科学省量子研究推進室長から文部科学省を代表して挨拶がありました.

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<J-PARC/MLFセッション1>では,最初に,金谷利治MLFディビジョン長が「J-PARC/MLFの現状」と題して,水銀ターゲットの状況と論文の投稿実績などを報告されました.続いて,林眞琴CROSS東海サイエンス・コーディネーターが「中性子産業利用の現状」と題してJ-PARC/MLFにおける産業利用の統計データと茨城県BLを中心とする産業利用の成果を紹介しました.その後,MLFにおける成果として,井手本康東京理科大学教授が「中性子・放射光を相補利用による高機能性酸化物の平均・局所結晶構造解析 - リチウムイオン電池材料・強誘電材料 -」,ならびに,池田一貴KEK助教が「高強度中性子全散乱装置NOVAによる高密度水素化物の構造解析」と題して報告されました.

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<J-PARC/MLFセッション2>では,大場洋次郎京都大学助教が「小角散乱とブラッグエッジの同時解析による鉄鋼材料の特性評価」,NIMSの内藤昌信氏が「中性子反射率測定による塗膜・接着剤中の水分析」,ならびに,日立製作所の王昀氏が「遠心鋳造2相ステンレス鋼の残留応力測定」と題して講演されました.
<特別講演1>では,住友ゴム工業㈱ 常務執行役員 研究開発本部長である中瀬古広三郎氏が「量子ビーム解析とシミュレーション連携によるタイヤ用新材料開発」と題して,J-PARCとSpring-8,ならびに「京」コンピュータを連携利用して,低燃費とグリップ性能,耐摩耗性という相反する課題を実現した「4D Nano Design」と銘打った設計システムの開発成果を講演されました.これはJ-PARC/MLFのBL14とBL15,BL16を駆使した成果であり,中性子の産業応用として非常に高く評価されます.

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22日(金)の<茨城県BLセッション>では,BL20「iMATERIA」に関して,佐藤成男茨城大学教授が「iMATERIAによる集合組織と残留オーステナイトの迅速測定技術」,小泉智茨城大学教授が「iMATERIAの小角散乱機能の整備と分科会活動」,菅野了次東京工業大学教授が「2次電池材料の研究開発動向とiMATERIAにおける成果」と題してそれぞれ講演されました.BL03「iBIX」に関しては,三木邦夫京都大学教授が「放射光と中性子の連携利用によるタンパク質結晶構造解析の現状」,横山武司助教が「FPPS-ビスホスホネート複合体におけるプロトン化状態の変化と水和構造」,ならびに,田代孝二豊田工業大学教授が「iBIXによる高機能性高分子材料の構造解析」と題してそれぞれ講演されました.

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昼食時には会場横のスペースを利用してポスターセッションを行いました.今回は,MLFに整備された中性子実験装置の性能や特長に加えて利用成果を装置グループが紹介するとともに,利用相談に応じました.

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<特別講演2>では,高精細液晶であるIGZOを実用化するなど,多方面で業績を挙げて居られる細野秀雄東京工業大学教授に「鉄系超電導物質における新しい型の磁気秩序相」と題して,鉄系超電導物質が発見されてから10年の研究の進展をご紹介いただきました.
 最後の<共用BLセッション>では,鈴木淳市CROSS部長が「共用BLの現状について」,篠原武尚J-PARCセンター研究主幹が「J-PARCのパルス中性子を用いた新しいイメージング手法の開発」,豊田中央研究所の野崎洋氏が「中性子準弾性散乱による電池材料中のイオン拡散解析」,ならびに,山本勝宏名古屋工業大学教授が「シリコン系ハイドロゲルのSAXS/SANS法による相分離構造解析」と題してそれぞれ講演されました.

21日の報告会には182名,22日の報告会には137名,延べでは225名もの参加者があり大変盛況でした.

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21日(木)夕方には,会場脇の「ホワイエ」において懇親会を開催し,96名の方が参加されました.庄山悦彦副会長と上田光幸室長,ならびに,今瀬肇茨城県企画部長の挨拶のあと,横溝CROSSセンター長の主催者代表挨拶に続く発声により乾杯し,懇談しました.参加者の皆様から,産業利用に繋がる先行研究や産業利用において非常に良い成果が挙がっているとのコメントをいただきました.グラスを片手に,産学官の懇親を深めるとともに,J-PARC/MLFの産業利用の深化について活発な意見交換がありました.

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