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中性子産業利用推進協議会

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平成28年8月22日(月)に研究社英語センター大会議室において,平成28年度第1回残留ひずみ・応力解析研究会を開催しました。

多くの部品や機械構造物は溶接加工される。溶接によって導入された残留応力は疲労強度に大きく影響する。そのため、残留応力は、X線や放射光、中性子などにより非破壊で測定したり、FEMにより解析される。今回は、「溶接部の残留応力解析と疲労強度設計」をテーマとして開催しました.

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チュートリアルでは,望月正人大阪大学教授に「溶接部の残留応力解析」,堤成一郎大阪大学准教授に「溶接構造の疲労強度設計」と題して講演していただきました.望月教授には,熱弾塑性解析による溶接力学シミュレーションの基礎に始まり,アークプラズマ物理現象を考慮した溶接変形と残留応力の詳細な解析法など懇切丁寧に講義していただきました.堤准教授には,溶接継手の疲労強度設計手法や,新しい疲労強度評価システムなどについて分かり易く講義していただきました.

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<X線・中性子応力測定装置>のセッションでは、ブルカー・エイエックスエスの盛岡仁氏が「ブルカーのX線回折装置とその実製品への適用」,英国ISISのShu Yan Zhang博士が「International Stress Engineering Centre - a proposed international facility for hybrid multi-scale stress measurements」と題して講演していただきました.Zhang 博士は,ISISに設置されているEngin-XというJ-PARC/MLFのBL19「匠」と同じような装置の装置責任者で,Engin-Xにおける各種構造物の測定例に加えて,中国東莞市に建設が進められているJ-PARC/MLFに類似したCSNS(Chinese Spallation Neutron Source)とISISが共同で推進しようとしている残留応力測定の国際連携についても紹介された.

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<X線・放射光・中性子による応力測定>のセッションでは,諸岡 聡 (首都大学東京, 現JAEA)が「FSW接合部における金属組織を考慮した接合部解析技術の構築」,清水憲一名城大学教授が「短繊維強化樹脂材料の内部応力の透過法X線測定」,友田 陽NIMS特別研究員が「軸肥大加工を受けた炭素鋼棒の残留応力分布評価」,鈴木裕士JAEA研究副主幹が「中性子回折法による大口径配管溶接部の残留応力測定」,小島真由美東京大学助教が「積層型高強度高延性鋼板の内部応力解析」と題してそれぞれ講演されました.

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今回の研究会では,溶接部の残留応力解析の最新技術と溶接構造の疲労強度設計技術を紹介するとともに,放射光や中性子を利用した溶接残留応力の実測例などを紹介しましたが,部品や構造物においては溶接部の信頼性が最も重要であることを反映して,台風9号の来襲により交通が一部遮断されるという状況にも拘わらず75名もの参加者がありました.

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